「ブルックナー交響曲第7番」上岡敏之指揮/ヴッパータール交響楽団

先日おこなわれた横浜みなとみらいホールでのコンサート。
このホールは初めてですが、なんてことはないシューボックス型のコンサートホールですが、ほどよい残響と適度な大きさが割と良い感じではないでしょうか。

曲目
モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番
ブルックナー/交響曲第7番(ハース版)
ワーグナー/歌劇『ローエングリン』第1幕への前奏曲(アンコール)

指揮の上岡さんは、音楽監督を務める手兵ドイツのヴッパータール交響楽団を引き連れての来日です。
とても見栄えのする指揮をする方で、音楽を文字通り体全体で表現されていました。
楽団員に対してさまざまなパフォーマンスを通じて表現を要求するいっぽう、拍もとてもわかりやすい振り方をされていて、さすがはドイツの音楽大学で教鞭も執られている方だと思いました。
こうした見ていて楽しい指揮をする方は、コンサート映えするので、CDといった音源よりはライブや映像で楽しんだほうがよいと思います。

ブルックナーですが、事前の噂通りの超低速演奏でした。7番で90分というのは、ようするにギネスものな遅さなわけですが、それがわざわいしているのか1楽章後半から2楽章にかけては弛緩した印象を強く持ちました。
中でも2楽章は、途中で迷子になってしまったという言い方が適切かもしれません。
一方3楽章にはいってからのオケは水を得た魚のような躍動感あふれる音を聴かせてくれていたと思います。
終楽章も基本的には3楽章の緊張感を持続しつつ最後まで突っ走っていったという印象でした。

音楽に対する感動よりももっと感動した出来事が実はこのコンサートにはありました。
アンコール後も鳴りやまない拍手は、オケ団員が退席したあとも引き続き鳴りやまず、誰もいないステージに再度上岡さんを登場させ、団員たちをも呼び戻してもう一度挨拶されたシーンがあったことです。
上岡さんの音楽性に共感された観客によるものなのか、昔からの知り合いが大挙して称賛されていたのか、実情は定かではありませんが、ああいった音楽家を褒め称えるパフォーマンスはみていて気持ちの良いものでした。


音楽に対しては、非常に明確なイメージを持たれている指揮者だと思います。
それがゆえに手兵のオケでは、彼なりの解釈や表現が十二分に発揮されていたのだと思います。
一方、客演ではそういった個性の強い指揮者というのは敬遠されがちなのだと思います。
昨年12月にN響でベートーヴェン第9を振ったときにそれを垣間見せる記述をネットでみつけることができました。

N響第2ヴァイオリン奏者の日記から

無事第九の練習も終わりました。今年はちょっと変わっているかな.......?

http://www.nezu.ms/tubuyaki.06.12.html

2ちゃんの「指揮者 上岡敏之 を語ってみそらし?」スレから

118 :名無しの笛の踊り:2007/10/11(木) 23:36:47 ID:Otkm/fpU スレ違いのような気もするが、その演奏技術を誇るはずのN響も、1stヴァイオリンが とんでもなくひどい。アンサンブルうんぬんではなくて、技術的にひどいのだ。 昨年、上岡がN響と客演したとき、上岡の要求するテンポにオケが応えられず、逆ギレ したコンサートマスターが、練習の時に、指揮者が出てくる前に居並ぶオケと合唱団に 向かって「今日は指揮者の言うとおりにはやらないのでよろしく」と宣言したそうな。 合唱団のメンバーから聞いた話なので間違いない。あの第九は、上岡の意図がほとんど 生かされなかった演奏だったそうだ。

http://music8.2ch.net/test/read.cgi/classical/1189899931/

ファンページにある本人へのインタビューから

--(WM)4日間のN響の第九の公演、お疲れさまでした。感想?それじゃ私の感想から・・・。上岡さんの指揮ぶりはいつ見てもエネルギッシュなのですが、例えば、ヴィースバーデンやヴッパータールで演奏会を聞いたときとても印象的だったのは、上岡さんのタクトの軌跡あるいはその残像に導かれるように音楽が紡ぎ出されていく感じを受けたことでした。今回の公演は、働いているなぁ、という感じをうけました。(笑)第九というのは大変な曲なんですね。

 そうですね。2回の練習と本番ですから、オーケストラと十分な意思疎通を図れていない部分がどうしても残るので、結果としてそういう印象を持たれたのかもしれませんね。その点では、4日の公演のうち3日目の公演が一番うまくいったように感じています。

http://homepage3.nifty.com/tnomura/kamioka/interview3.html


ネットでは、結構厳しい批評も多く見受けられていますが、それだけ話題性があるということは、みな彼に期待しているところが大きい証拠とも言えます。
実際のところ、音楽性が感じられない無個性な演奏で、話題にも上らない指揮者だってたくさんいますから。
今後のさらなる活躍を期待し、陰ながら応援していこうと思います。


あと、2006年に読売日響を客演したときのブラームス1番がこちらで見られます。
http://www.dai2ntv.jp/p/z/101z/play.html?article=NtvI00015162

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このページは、が2007年10月14日 15:42に書いたブログ記事です。

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